新年度2025年のグループ・スーパーヴィジョンは、昨年度と同様に固定メンバーで行います。昨年度は土曜日の午前10-12時に行っていましたが、今年度は土曜の午前10-12時と、日曜の夜19-21時に行います。日程と参加料はウェブサイトをご覧ください。
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昨年度(2024年度)の参加者の「ふりかえり」をご紹介します。
まず、スーパーヴァイザーである私(田村)から。
グループSVはもう十年来やっていますが、今回は固定メンバーにしてみました。
すると各回の事例提供者を決められるので、事前に事例をまとめてきます。
いつもみなさん「まとまらない内容ですみません」とか言うのですが、私からすれば十分にまとまっています。
でも、みなさんの消化不良感もよくわかります。そもそも「まとまらない」からこそ、その事例をSVに持ってきて、まな板に載せるわけですからね。
研究論文で言えば、前半の「方法・結果」まではまとめられるんだけど、最後の「考察」の部分に不十分感があるのだと思います。
考察とは、出てきた結果に対してどのような意味づけを与え、一般化して、さらに今後の発展につなげるか。
「研究結果」までは資料を整理すればひとりでもできるのですが、考察部分は他者の視点が入った方が、自身の体験を客観視できるのでやりやすいでしょう。
今回は、みなさんがよく「結果」をまとめてきたおかげで、「考察」部分に時間を割くことができたように思います。
次に、参加者たちからです。
何と言うか、
・母船感(みんな散らばってるけどその日になったらそれぞれの星から戻ってくる)
・ホーム感(ホームとアウェイ的な、みんな味方)
・食卓感(昼間みんなが出かけていて夜に帰ってきて一緒にご飯を食べる的な)
・ステージ感(劇場に集合して発表者がステージで発表するのを観客席から見守る)
そんなイメージがこの一年間のGSVを振り返ると湧いてきます。固定メンバーになったことで、場の安心感も増えたようにも感じますが、私自身が2年目の参加だからというのもあるかもしれません。
ケースを出すことはもちろんですが、他の方のケースを聞くことによる発見も多かったように思います。田村先生と発表者の対話を聞く中で、自分の連想がすすみ、何かを語りたくなる。これは、オープンダイアログのリフレクションの枠組みと一緒だなと最近思っています。他の方のケースを聞く中でそのケースにあった技法や解決策を知るということも学びにはなりますが、どちらかというと他の方のケースの中に表れる組織の枠組みやクライアントの歴史のようなものに触れることそのものが、自分にとっては貴重な経験であったように思います。
自分がなんとなく使っている家族療法とシステムズアプローチ。それをもう一度しっかり学び、意図的に学校現場に応用していかなければいけないと感じた。特に皆さんのお話や先生の分析等を通して。基礎的、理論的な部分を学習し、実践を繰り返すことで臨床場面(学校現場でのシステムズアプローチの応用)で活用していきたい。
・修行の場です。自分の自信のなさが浮き彫りになります。
・場が優しいので安心できます。自分も皆さんみたいになりたいです。
・レッスンでも音楽療法でも、音楽を通して、対象のお子さんを通して、その先にいる保護者様のことまで意識するようになりました。
なかなか参加できず、残念でした。
事例報告させていただいた際、自分では、職場の問題と思っていたけれども、ここでは、自分の問題としてしっかり捉え直す事ができたので、とても学びの多い内容でした。
・毎月、リアルにご本人ご家族や、事例提出者の悩みや困り感が伝わってくる事例に対して、田村先生の質問の仕方(視点、角度のようなもの)がに、事例を解きほぐす思考の仕方を大いに学ばせていただきました。
といっても、毎回すごいなー、なるほどーと感嘆しているだけで、自分に同じことができるわけではありませんが、毎月、このプロセスを見させていただいたことが、すごく自分にとっても栄養になったと感じています。
また、皆さんの質問や意見の内容も、一旦相手の事例を懐深く受け止めて、考えて、自分の言葉、自分の感性で発せられている、そのようなコミュニュケーションが素晴らしいなと思っています。
それが自分に足りないところのような感じがしています。私はまだまだ表面的な正解というか、(SWなので)制度のことに終始しがちでした。
相手の言葉をしっかり聞く、受け止める、というところを、これからもグループSVで、学ばせていただきたいと思っています。
自分の事例発表だけでなく、みなさんのケースのお話を伺うことで、新たな視点で自分の臨床を捉え直す機会をたくさんいただき、大変勉強になりました。どうもありがとうございました。
みなさんの振り返りを読んで、田村からのRe-Reflectionです。
前回の参加者は12名でした。多分、そのうちの何人かは継続して参加されると思います。新しい方が入ってくれると嬉しいです。グループに新たに加わるのは、なんとなく勇気がいるかもしれませんが、メンバーが入れ替わった方がグループが活性化するんです。新たな人が加わり、新たな関係性が生まれると、それに伴って新たな視点も生まれます。
参加したみなさんが「楽しめる」グループにしたいと思います。