グループ・スーパーヴィジョンの説明

本年度も毎月1回、土曜日の午後にオンラインでグループ・スーパーヴィジョンを行います。
日程など具体的な詳細はこちらをご覧ください。

どのようなことをやるのか説明します。
<参加者>
毎回、参加者は2−3名から5−6名程度。毎回参加する人や、時々参加する人もいます。いつでも、1回だけのお試し参加も可能です。
<チェックイン>
第一ラウンドはチェックイン。参加者一人ひとりが「今の気持ち」を簡単に紹介します。
第二ラウンドは事例の紹介。「もし今日、自分の事例を出すとしたら、こんな事例です」と1分以内で概要を紹介します。
「検討したい事例はありません。他の方の事例を聞いていたい」というオブザーバー参加でも構いません。
全員が出揃ったところで、今日取り上げる事例を決めます。毎回、3時間の中で2−3事例を取り上げます。
このようにして、事例を提示する人は前もって決めません。その日に参加したの中からその場で選びます。

<事例の検討>
事例について説明します。どのような経緯で、どのような支援を行ってきたか紹介します。経緯についてあらかじめ文章を作ってくる人もいますが、多くの人は準備せずその場で語ります。
事例の説明の後で、なぜこのケースを提示したか。支援者としての困り感・困難さはどういう点か、グループSVで何を検討したいかなどについて紹介します。
その点について、まずスーパーヴァイザーと事例提供者で対話します。
次に、参加者全員で、事例について話し合います。
1事例に30分から90分程度時間をかけて話し合います。
3時間のセッションなので、途中で休憩をはさみます。

<チェックアウト>
最後に、参加者全員から一言感想を話して終了します。

過去のグループSV参加者からの感想です。
自分を出すこと

スーパーヴィジョンの醍醐味

これらを読んでいただければわかると思いますが、スーパーヴィジョンとはいわゆる「指導」つまり正解を求めたり、一つの考え方や技法に収束させるものではありません。むしろ「エンパワーメント」つまり支援者が持っている潜在力や可能性を引き出すことが目的で、事例の話はその題材に過ぎません。

<プライバシーの確保について>
支援者は守秘義務を持ち、クライエントの情報を他言してはいけません。スーパーヴィジョンでもその原則は当てはまります。
事例を提示するときも、個人が特定できる情報は開示しません。事例のプライバシーを話すのではなく、事例と向き合う支援者自身のプライバシーを語るというように考えてもらえば良いでしょう。事例を話しているうちに、その人と向き合う支援者の特性:強みや弱みが見えてきます。それを明確化してより良い支援者として成長するのがSVの目的です。

反抗期:思春期の子どもと親の関わり

Q) 反抗期はなぜ訪れるのか?
思春期になると精神的に成長し、親の束縛・価値・庇護から自立し、自分自身の価値や自我を身につけたいと願うようになります。それまでそれほど疑問を持たず従順に従ってきた親の束縛・価値・庇護に対して疑問を抱き、親に対してNOを伝えます。

思春期の精神的な自立とは、それまで絶対的であった親の存在が相対的になり、親がいなくても生きていけるという自信ややる気を身につけていきます。親に責任を押し付けることなく、自分の行動に自分で責任を取れるようになります。精神的な自立はそう簡単に獲得できるものではありません。何年もかかり、勉強やスポーツ、異性・同性などの友人関係・対人関係など挑戦してうまく行ったり失敗したり、いくつかの失敗体験と成功体験を積み重ねる中で学び取っていきます。親への反抗とは、その過程のひとつです。

Q) 普遍的な特徴・世代的な特徴(今どきの子どもたち)・コロナの影響
反抗のテーマとしては日常生活(朝起きる、食事習慣、登校、就寝時間)、外出の門限などが一般的です。
宿題や勉強についての反抗は少なくなってきたように思います。昔に比べ今の親は勉強についてあまり言わなくなってきています。
その一方で、ゲームやパソコン、携帯、インターネットなどが多くなりました。

思春期・反抗期の遷延化:以前は小学校高学年から中学生が反抗期と言われていましたが、十代後半から二十代など遅くなってきています。中には、40, 50代になり老親に反抗している大人さえ見られます。

コロナで外での生活が減り、家の中での生活時間が増えました。外出や門限に関する親子の対決は減りますが、親子が一緒に過ごす時間が多くなり、お互いにストレスを抱えていると対立する機会も増えます。

Q) 反抗期はないと問題なのか?
反抗期は個人差が大きいです。派手な反抗で苦労するケースから、小さな反抗であまり気づかないで潜在的に過ぎるケースもあります。時期的にも小学生か20代・30代まで様々です。
反抗期はあっても問題だ。反抗期はないと問題だ。。。
と考えるのではなく、反抗期はあってもなくても大丈夫と親は考えると良いでしょう。

Q) 反抗期が大人になってから及ぼす影響
質問の意図が理解できません。
反抗期は通常の成長過程のひとつなのですが。。。

Q) 反抗期の子どもは親のことをどう思っているのか?
それほど大したことは思っていません。
親はウザい、面倒だ、わかってない、頭が固い、間違っている、、、などと思うでしょうが、親が子どものことを思い、子の気持ちを推し量ろうするほど、子は親の気持ちを忖度することはありません。(ただし、これにも例外があります)

Q) 反抗期の子どもたちに接するときに親が心がけると良いことは?
親の関わり方によって、子どもの反抗は大きく変わります。
親の束縛・価値・庇護が強いほど子どもは反抗します。成長している子どもを「子ども扱い」して自由を束縛したり、子どものことを先回りして心配して過保護・過干渉になったり、勉強や進路など親の価値を強固に伝える場合です。
逆に、子どもの言うことを何でも認め、親の価値観を伝えないと、子どもはワガママの世界に留まり、成長できません。

子どもの成長を信頼し、自立したい気持ちを認め、子どもとの心理的距離を離す。
幼児期から児童期・思春期と成長に合わせて、親子の距離をだんだん離して行きます。小さいうちは、子どもから目を離さず、すべてを把握して守ることが必要ですが、思春期になっても同じことをしてはいけません。子どもは自立して親から離れていくことを認め、危なっかしい姿を過度に心配することなく、細かいことまで詮索したり口出ししません。

Assertiveな親子関係
どもとしっかり向き合い、子どもの価値を認め、親の価値もきちんと伝え、お互いが納得できるまでよく話し合う。
親にとってびっくりするような子どもの言動に驚いて、一方的に禁じたり叱ったりするのではなく、子どもの言い分をよく聞き、理解します。逆に、子どもの言い分を全て受け入れ、言いなりになってはいけません。親の価値や考えをしっかり伝えます。親子の双方が受け入れられる着地点を見つけるためによく話し合います。子どもに妥協を求めるのであれば、親もある程度妥協しなければなりません。
そのような話し合い自体が、子どもの社会性を育み、自立を促します。

ジェノグラム合宿

ジェノグラム演習をとおして自身の家族を振り返ります。クライエントとその家族に真に共感できる支援者を育成します。

対象者)

子どもと家族の支援者を主な対象にしていますが、どなたでも参加できます。
3回目はメタ合宿、つまり過去のジェノグラム合宿経験者が対象です。

日程

第1回7月16(土)・17(日)・18日(月・祝) 
第2回8月19(金)・20(土)・21日(日) 
第3回9月23(金・祝)・24(土)・25日(日)メタ合宿(経験者限定)

2泊3日の集中合宿です。
初日の午後2時に開始(3時間)
2日目は午前・午後(6時間)
3日目は午前のみ(3時間)、正午に終了

参加方法

  1. 現地での参加)高山村こころの診療所
    1. 宿泊は近隣の温泉宿、自宅から通い、古民家宿泊などが可能です
  2. Zoomによるオンライン参加

定員)各回8名

参加費) 各回22,000円(税込)

古民家宿泊は1泊2食付き3,000円です。