田村毅研究室

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家族の力で問題解決

 強い心と弱い心。人は強い心と弱い心の両方を持っています。

強い心 弱い心
傷つきやすさvulnerability 回復力resilience
傷自己否定(自分で身を守れない) 自己肯定(自分で身を守る)・自信
外発的動機づけ (まわりの力で動く:親のエンジン) 内発的動機づけ (自らの力で動く:自分のエンジン)
困難さからの撤退 困難への挑戦

弱い心 とは、傷つきやすさのことです。自分はダメな人間と思い込み、周りの人が自分のことをどう見ているかとても気になり、人の視線を気にします。人の言葉や些細な行動を否定的にとらえ、人と関わることに自信を失います。傷かないように、ひきこもります。

強い心 とは回復力・心の元気さのことです。逆境に遭遇しても自信を失わず、困難に挑戦し、なんとか乗り越えようと前に進みます。相手から傷つけられても撤退せず、人と関わり続けます。

もともと「弱い人」「強い人」というのはありません。だれでも弱い心と強い心の両方を持っていて、その割合が変化しているだけです。

弱い心の割合が高くなると、自分は弱い人間だと思い込みます。
強い心の割合が高くなると、自分には乗り越える力があると自信を回復します。

状況によって、人はいくらでも弱くなります。 状況によって、人はいくらでも強くなれます。

ですから、諦める必要はまったくありません。 諦めてはいけません。

どうしたら、ひきこもりから抜け出すことができるのでしょうか?

強い心が十分に機能するようになれば、自然にひきこもりから脱します。

すべての人は自立する力を持っています

自律する力も同じ考え方です。心の栄養さえ足りていれば、子どもは自然とウチの世界から巣立ちソトの世界に自立できます。

そのためには、守る愛放す愛というふたつの栄養素が大切です。

守る愛 放す愛
危機の回避・保護 傷つきへの挑戦
問題の早く見つけ保護する 本人を信頼して問題解決を任せる
傷つきやすさをカバーする 回復力を信じる
ウチの世界の万能的自我を承認する ソトの世界の傷ついた自我を承認する
安定性を保つ 変化と成長を促す

守る愛は、子どもを無条件に愛し、そのままの姿を肯定します。思春期前の幼い子どもにとって重要です。

放す愛は、子どもの回復力を信じて、困難に挑戦する勇気を与えます。自立して、ソトの関係性に導きます。思春期には放す愛が重要になります。

家族は問題解決の資源です

 学校や社会と繋がっていれば、種々雑多な人々と試行錯誤を繰り返しながら、大人の関係性を身につけていきます。家族はそれほど活躍する必要はありません。

 しかし、ひきこもると、ソトの人たちとの交流が途絶えます。唯一、関わることができるのは、家族の人たちです。家族が守る愛と放す愛をバランスよく与えます。

 ひきこもりの脱出には、家族の力がとても大切です。

家族が子どもに自信を与える

 よくカウンセラーは「ひきこもっている子に対して親や周りの人は、何も口出しせず、子どもが自らの力で回復するのを待ちましょう。」と言います。これは葛藤期に大切です。親の過剰な言動は、子どもにとってストレスとなります。

 しかし、自閉期と試行期には、家族は待ってはいけません。家族が子どもに自信を与え、安心して前に進める力を与えます。

親のエンジンから子どものエンジンへ

 子ども時代は親のエンジンで動きます(外発的動機づけ)。子ども自身のエンジンが動き出すと自立します。しかし、動き始めたエンジンは本調子でなくエンストします。親は子どもの潜在力を信じて、エンジンが始動するまで待ちます。

先回り心配性

 子どもがひきこもると、親は自分の失敗と受け止めて、子どもに関わる自信を失い、弱い心が増殖します。自信を失い、どう子どもに関わってよいのかわからなくなります。子どもが傷つくことをとても心配します。子どものことを先回りして心配して、子どもにたくさん口を出し、守りすぎます。自立したい思春期の子どもは、そのような関わりをとても嫌がります。

やる気スイッチの押し方

 車はエンジンがふたつあると故障します。子どもが自らの力を信じてやる気スイッチを入れるためには、親が先回りして心配する親ごころスイッチを切らねばなりません。親ごころスイッチがONになっていると、子どものやる気スイッチは入りません。

腫れ物に触れるような関わり

 子どもは親からの適切なアドバイスとガイドラインを求めています。

 親の自信を失うと、子どもは親から何かを言われるのを嫌がるだろう、親からの影響を嫌がるだろうと過剰に心配して、親は何もしない方が良いと思い込みます。結果的に、子どもをしっかり導くことができず、腫れ物に触るように接します。子どもも親も、前に進めなくなります。

家族力を発揮する

 家族の力とは、家族みんなが強い心をしっかり保持して、家族同士がきちんと信頼で繋がっている状態です。家族の力は、子どもや家族の問題を回復へ導きます。

孤立した母親中心の子育てからの脱却

 思春期は幼い頃ほど手はかかりませんが、高度な判断が求められます。子どもは自立しようとして親に反抗します。親も子どもも傷つきます。親は守るべきか、放すべきか迷います。誰にも相談できず、ひとりで子どもに関わっていると、どうしても保守的になり、守り過ぎてしまいます。母親ひとりだけではなく、子育て体験を同じ目線で関わる人の協力が必要です。

父親と母親が協力する

 思春期の親は働き盛りの世代で、仕事のストレスも大きく、子どもや家庭のことを考える余裕がありません。夫婦で子どものことを話し合う時間も十分ではありません。

 子どもが順調な時は、それでも構いませんが、子どもに問題の兆しが見えた時、父親は仕事の忙しさを乗り越えて、家族の時間を意図的に作り出します。短い時間でも良いから、毎日子どもの様子を情報交換して、どう関わったら良いのか、両親でよく話し合います。

母親と父親が折り合う

男親と女親は考え方が違うものです。

伝統的に、母親は守る愛を、父親は放す愛を発揮します。困難な状況に遭遇した時、母親は「無理しない方が良い」と伝え、父親は「困難に立ち向かえ」と伝えます。 言っていることは反対なのですが、両方の要素が必要です。両方のやり方を折り合わせて、子どもに関わります。

家族の負の遺産を整理する

 家族はプラスとマイナスの体験を前の世代から引き継いでいます。負の遺産を多く抱えていると、プラスの家族の力を発揮できません。家族の力を発揮するために、棚上げしていた遺産を整理します。具体的には次のような体験です。

1)喪失の悲しみ
死別や離別によってパートナーを失った時、あるいは子どもを突然失った時、親は守る愛に傾きます。特に、家族を自死により失う痛手はとても大きいものです。思い出したくないので記憶を心の冷凍庫に凍らせます。しかし心に秘めた悲しみはいつまでも消えません。
2)失敗体験
子どもの頃、ひきこもっている人が家族にいると、親になっても自分の子どもがひきこもるのではと心配します。きょうだいが親と葛藤している姿に傷つくと、親との葛藤を避け「いい子」を演じようとします。
3)心配性の世代間伝達
自分の親からたくさんの心配を受けると、過剰に心配すること(弱い心)が家族の伝統となり、自分の子どもにも必要以上に心配します。
安心できるガイドラインを与える

思春期は学校、進路、就職、結婚と、さまざまな選択肢が待ち受けています。道に迷った時、どの方向に進んだらよいのか明確なガイドラインが必要です。決めるのは本人です。しかし、どの道が安全で選んでも良い道なのかを示すのは親の役目です。

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